科学技術有効賞 受賞
受賞製品
「磁化率調整ガラスを用いた高分解能NMR測定用ミクロ試料管」
分解能と感度こそミクロ試料管の生命です。分解能を上げるためには、ガラスの磁化率を試料溶媒と一致させる必要があります。測定磁場が高くなるほど磁化率の差はスペクトルに効きます。
ガラスの材質からも、これらの問題を検討してみました。
化学薬品に強く、磁化率が重水と測定限界内で一致した特殊硬質ガラスを、対称形ミクロ試料管に採用しましたので、重水溶液に最高の分解能を発揮します。
検出コイルに近いほど、単位体積当たりの感度は高いことが理論や実験から明らかです。
対称形ミクロ試料管は、単位液量当たりで最高の感度をお約束します。
- 液量は検出コイルの長さの3倍を超えると分解能に悪影響を与えます。検出コイルの長さはプローブ、ごとに異なりますので予め確認しておくと何かにつけて便利です。
- 感度と分解能の両方を満たす最適液量は、検出コイルの内径の長さにセットすることです。もちろんそれ以下でも何の支障もなく測定できます。但し分解能調整に多少時間がかかることをご承知ください。
- 理論的解析から、ガラスと溶液の磁化率が10%違うと、境界部分の磁場は補正できないぐらい乱れることがわかりました。
- 高性能を求めるために、外管底(内側)は直角になっております。このため、ガラス強度的には弱くなります。取扱いにご注意ください。また、超音波洗浄機は使用しないでください。
- ガラスの磁化率は各溶媒ほぼ同じですが、ガラス溶媒ごとに幾分ずれが生じます。
- BMS-005B: Bruker用 BMS-005J: 日本電子用 BMS-005V:Agilent(Varian)用
U.S. Patent No.5, 573, 567 No.5, 831, 434
日本特許 第3347824号